宇宙白熱道場レポート〈東京−6/30−〉

【テーマ講演】
山方健士氏〔JAXA経営企画部推進課〕
 そもそも宇宙に興味を持ったきっかけから、少年時代のさまざまな経験、大学での研究内容、JAXAに入ってからの仕事内容など、「人が宇宙に住めるようにしたい」というひとつの夢を目指し一貫して行動してきたこと、いまもその夢に向かって進み続けていることをお話しいただきました。
 その経験を基に、“自分の適性を知るには”“やりたい仕事を見つけるには”、といった問いに対しアドバイスを頂戴しました。そして最後には「高校時代の自分へのメッセージ」と題し、未来ある高校生たちへ、熱のこもった応援の言葉をいただきました。

【質疑応答】
Q.JAXAで働いていて、楽しいことは何ですか?(男子生徒)

自分の考えが実際の宇宙開発へ
 自分で新しいことを考えること、ですね。
今の経営企画部に配属になって、最初に言われたのが「将来の宇宙探査を考えろ」、でした。
 将来の宇宙探査、といっても、他の国の宇宙機関と同じことをやってもつまらない。そう思って今まで自分が勉強してきた情報を全部かき集めて、まったく新しい提案をしました。
 そうやって新しいことを提案して、上司や同僚に面白いと思わせられたら、自分の考えたことが実際の宇宙開発につながっていきます。ひとつの国の宇宙開発の考え方を、自分が決めていけることがすごく面白いです。
100年先の未来を考える仕事
 もちろんJAXAにいても、会議などのルーティン的な仕事もあります。でも自分でいろいろなことを提案するのが大事な仕事だと思いますし、大変でもあるけどやっぱり楽しいです。
 例えば、50年先までの宇宙開発計画を、60日の期限で考えろと言われたことがあります。そのときは100年先まで考えてやりました。なぜなら、そうしないと自分の考えている50年後というのは理屈が立たなかったからです。
 その100年先をベースに全て自分で考えて、具体的なスケジュールまでひっぱっていきました。10年先には何をつくり、20年先には何をつくり、30年先にはそれらによってどういうミッションを立ち上げていくのか、という計画を考えました。これはすごくすごく楽しかったです。
訓練計画の立案から実行まで
 宇宙飛行士の訓練計画をたてたときは、どの国へ行って何をさせるかを考える前に、まずそれぞれの国の訓練をしている人たちに話を聞くことから始めました。そもそもどういう訓練があるのか、何をさせるのが一番有効的なのか、いつ頃やるのがいいのか。そういった様々な話を聞きながら、計画を立てていきました。そうして日本人宇宙飛行士の養成方針が決まったとき、方針に基づく訓練計画を提案して、それを基に訓練が実施されます。
 計画に沿って訓練が行われる際に特に初めてのケースの際には宇宙飛行士達と一緒にアメリカやロシアの訓練現地へ行って、必要な設備の立上げ(当初、ロシアにはJAXAの事務所がなかったので事務所の立上げを行ったり)などをしました。
 学んだこと、経験したことを基に実際に宇宙飛行士の訓練を計画し、動かしていくことはなかなかやる機会がないので、とても楽しいです。

—すごく、“JAXAならでは”ですね。ありがとうございました。

Q.JAXAではなくてNASAに入りたいとは思わなかったんですか?(女子生徒)

“日本すげえ”と思わせたくてJAXAを
 正直にいうと、NASAに行きたい気持ちもありました。JAXAの宇宙開発の規模は、NASAに比べると予算も人も10分の1。ただ、NASAのように潤沢に予算があって、潤沢に人がいる、そういう環境でモノが出来てもつまらないと思ったんです。それよりも、自分は日本人だし、日本の技術を使ってNASAに匹敵するものをつくってやろう、という気持ちの方が強かったです。
 10年前、JAXA(当時NASDA)の入社面接で「どうしてNASDAを選んだの?」と聞かれたときも、「日本は予算も人もアメリカに比べたら全然少ないかもしれない。でも日本の知恵と技術を使って、自分の発想力でカバーしていって、どこかひとつの分野でもいいから、世界に“日本すげえ”って思わせたい。だから、NASDAを選んだ」 と答えました。

—ありがとうございました。

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